反物質流

たんものしちながれ

誰しも日々さまざまな荷を負いながら生きている。

どの道が正しい、あるいは優れている

ということはない。

何も負わずに来てしまったなら、年数分の

「何も負わなかった」という荷を負うことになる。

その重みは負った者にしかわからず、そのことで

開かれる道がある。

いつだって、そこから続く未来がある。

磔に石打たずとも

磔に石打たずとも

頬を撫で額に口づけることでさえ

百人、千人と繰り返すうち

血が滲み、膚は破れ

一擦の愛撫、一触の接吻の

齎す痛みは激しさを増す

 

一人また一人と訪れる巡礼者が

遠退く意識を引摺り戻し

その列は果てることなく続く

口々に敬愛を囁きながら

血の滲む頬を撫で

破れた額に口づけていく

 

 

いまや私を縛るものは無いが

何気ない囁きにその痛みが蘇る

その無限の列が浮かび震撼する

 

人は列に並び、列は人を誘う

縄と綯われ、ゆっくりと私に絡み付く

 

私は狂い叫び、一目散に駆け逃げる

そこへ戻るわけにはいかない

 

僕らがStay Homeしてる間も

僕らがStay Homeしてる間も

それを可能にする社会基盤を支えている皆様がおられる

 

日々の糧に奔走する皆様も

混乱に乗じて居ながらに蓄財されている皆様もおられる

 

逼迫する医療現場を何とか支えている皆様も

構わずばら撒く皆様もおられる

 

いつもの構図がことさら鮮明に浮かび上がる

春の雨 花びらはこぶ 川の瀬に 岸の子鴨ら 次々と入る

 

自宅を離れ、百万遍でひとり暮らし・在宅勤務を始めて一週間になる。

昨日は春雨の中を出町柳から北大路まで散歩したが、コロナ禍のための

外出自粛もあって、すれ違う人も殆どなく、成鳥の七割くらいになった

子鴨たちが岸に列を作って順々に羽ばたき着水の練習(?)をしていた。

 

開花こそ早かったがその後の冷え込みで長かった桜も散り時を迎え

花吹雪、そして川の淀みで淡色の絨毯となっている。

 

命をかけて流行り病と戦っている人々、生業を脅かされる人々。

嘆いてなどいられないと果敢に向き合い、新たな活路を見出す人々。

現実から目をそむけ、大したことじゃあないと嘯く人々。

 

ずっと当たり前だったことが今、脆くも崩れ去っている。

この禍いの先には、決して元の生活は無い。

受け入れた変化の多くはそのまま居座ることになるだろう。

否応なく降りかかるものに抵抗したり、やり過ごそうとしたりせず、

今この大変な中でこそ、その先を見据えた変化の芽を見つけたい。

 

「あなたは、あなたのすべきことをなさい。」

ずっと私を苦しめてきた言葉。

わからない。それが何なのか。

 

良い仕事をしたなと思うことはある。

誰かの力になれたなと思うことはある。

ではそれが、私のなすべきことなのか。

 

この人の力になりたい、そう思う相手ほど

はじめは良い関係が、次第に遠ざかり、

最後にこの言葉をかけられる。

 

身を挺して、眼前の課題から私を自由にし

そうしてこの言葉をかけられる。

 

わからない。私にはわからない。

そこまでして、私のすべきことが。

わからない。それが何なのか。

 

あけましておめでとうございます。

元旦の朝、倅と並んでORIGAMIを淹れトーストを齧っています。
除夜の鐘チームはまだ寝てるし、お昼には集まるので朝は簡単に。

僕は例年通り、夜明け前に御霊さんお参りして賀茂川で初日の出。

今年ちょっと違ったのは、タッチラグビーしてる皆さんがいたので
(毎年やってるそうですが気づきませんでした)寄って行って
混ぜてもらうことにしました。
今日は見学だけにしたあたり、まだまだ積極性が足りないですが、
大文字の稜線から差す朝日にも助けられ、僕なりに思いきりました。
楽しみです。

 

振り返ってみても大変な一年でした。

周囲の皆様にも多大なご迷惑をおかけしたり、励まして頂いたり。

最後の戦い、と臨んだものは、序章の終わりに過ぎませんでしたが
ようやく自分を取り戻せた、そんな確信をもって新年を迎えることが
できました。

 

今年のテーマは「明鏡止水」。

曇りなき鏡のごとく塵垢をとどめず

静かなる水面のごとく人々の拠り所となる。

 

いよいよ正念場、全力で参ります。