反物質流

たんものしちながれ

辻静雄三十回忌

辻静雄」って検索するとまず「著作家」って出るんだよね。生前あれこれした中で、やはり著作が後世に広く名を遺すのだな。深くという意味では組織つまり人を育てる仕組みをつくったのは大きかったのだろうが。今日は三十回忌。

辻静雄はもちろん学校を作ったのだけど、そこで教える人々を育てる仕組みを確立した。「キミ、フランス行って。来週から。」なんて伝説も聞くが、帰国すれば分野の第一人者として教壇に立ち、講義をまとめて著作にさせる。そうやって世界有数の知の拠点を築いた。

残念ながら直接お会いする機会は既に無かったが、僕もそうやって送り出されたひとり。行き先は自宅から10分の大学。就職して10か月で片道切符を渡され、結果的にちょうど5年で復職すると、新学科の柱のひとつを担い、分野の第一人者と共著で教科書も出版させていただいた。

その仕組みが今、どれだけの人に理解されているのだろうか。