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どういう訳か、歩兵の教練を受けていた。
小さな丘の手前から地平線に向けて迫撃砲を撃つ周囲で
護衛をしているようなのだが、斜面では茶摘みをしていて、
荒らさないよう頭を下げながら脇を通って行く。
茶摘みの老人には短く丁寧に労われる。
行き慣れない接客のある飲み屋に皆で連れて行かれる。
人手が少ないのか水のコップは自分で取りに行く。
若い店員が何時に上がるように云々と言われている。
裏口の鉄扉の向こうにセコムの装置が見える。
2日目。弾帯を切れ目なくすばやく供給する練習。
端部に色が塗ってあり分かりやすい。
なぜか教官は英語で、no reasonと言われ、
こちらもno reasonと応える。
辛さも悲壮さもなく、ただ坦々と仕事をこなしていた。