反物質流

たんものしちながれ

「安定は、希望です。」

 
ふと目に止まったその言葉を、
しみじみと眺める自分がいた。
 
平凡、単調、退屈なのが何より嫌いで
二十年後まで見通せるような人生なら今ここで断つ 
なんて真顔で言っていた自分も
四十にもなると随分変わるものだな。
 
でも何か違う。何だろう。
 
安定って、自分で作り出すもので
荒れ狂う波の上を滑るように進む
それが醍醐味なんじゃないか。
 
鏡のような海原にぽつんと置かれたら
やっぱり耐えられないと思う。
 
 
脈拍を安定させたいのなら
点滅信号の横断歩道へ駈けたりしてはいけない。
 
遅れたくなければ、早く出ればいい。
 
出るのが遅れれば、着くのも遅れる。
それだけのことだ。
 
そうやって、詰将棋のように生活を組み立てていく
それが安定に繋がるんじゃないか。
 
当たり前のことだけど、これがなかなか奥深い。
 
※特定政党を支持するものでも非難するものでもありません。
わかると思うけど念のため。