反物質流

たんものしちながれ

何事につけ、自分から打って出ると大概失敗する。受けて返すのが自分の強み。経験的にそう自認していて、自分から打って出ないものだから、ますます不得手になり、流されるまま、それでもまあ、それなりに器用に、受けて返して、いい感じで生きてきた。それで手に入らないものは、縁がなかったと、指を咥えて見送り、時々思い出しては、そんなセンチメンタルな気分がけっこう好きだったりする、なんてうそぶいて。そういうのはもう嫌だと、いい加減こんな歳になってだけれど、ようやく立ち上がろうと、膝に手をかけたものの、果たして立ち上がれるか。その途端、よろめき倒れて打ちどころが悪く、なんて。それでもいいから、立とうと、いましている。