反物質流

たんものしちながれ

コッペリア

昨日は娘のバレエ発表会だった。

コッペリア全幕。

こどものバレエ教室というと、クラスごとのチョロチョロっとした出し物を順番にやって終わりという所が(少ない経験上)ほとんどだと思うが、一般客からでもお金の取れそうな舞台の中に、それぞれのクラスの出番を入れ込んでくださる。倅が少しだけ習っていたときなどは、一つしかない男性控室で、プロの方々にかわいがっていただいていた。一緒に踊ったお兄ちゃんはいまロシアだとか。自分がそうなる訳ではなくとも、そういう空気の中に一時でも身を置くというのは、よい経験だと思う。

娘は中学受験のため2年間お休みしていた。かつて一緒に踊っていた同級生は、主役を囲んで華やかに踊っている。休会を決めるときも、その後しばらくも、かなり未練のある風だったが、気持ちを切り替えて全力で受験に臨み、中学生活も落ち着いた頃に復帰、週に3回、4回と通って、今のクラスの中では見劣りしないところまでは追いついた。それでも今回ひとりだけ、トゥシューズは見送った。「目立ってなかった?」というので、もちろん見れば分かるが、演技としては何の問題もなかった答えると、安心したようだった。

複雑な思いも無いわけがないが、それ以上にバレエが好きなのだろう。決してそれで身を立てていくようなものではないのは本人もよくわかっているはずだ。それだけに今は、気の済むまで打ち混んで欲しいと思う。そのときがくれば自分から「もういい。」と言ってくる子だ。