フルーツ・ヨーグルト
リンゴ、バナナ、オレンジ、グレープフルーツを、1、2センチに刻み
ロイヤル・コペンハーゲンのボウルでイオンのヨーグルトと和え
ヘンケルスのスプーンでいただく、出勤前のゴールデン・ウィークの朝。
かつて、命がけで、これを作り、食べていたのを思い出す。
原価計算すれば、山盛りいただいても、せいぜい150円。
特に贅沢なものではないが、果物を食べている自分、ということに
何か、最後の矜持のようなものを、感じていた。
僕にとって、果物というのは、何かそういうもののようだ。
子供の頃は、父が買って帰る、折々の果物が楽しみだった。
1本26円の缶コーヒーを箱で買ってきてもらう。
はっきり言って不味い。おそらくは成分以外の諸々もあって
少なくとも、美味しくは感じられない。
それを毎日2本、カバンに入れて、往きと、帰りとに1本ずつ飲む。
価値のないものとばかりに、自分を小さく、小さく、押し込んで
みずから、世界の隅に追いやってしまう。そんな心持ちだった。
世帯を構え、真っ当な仕事に就き、それなりの安定した収入もある。
それ以外でもいろいろな肩書を頂いている。
別にお金に困っていた訳ではなかったのだと思う。
すべては自分の心持ちの問題なのだろうけれど。
ああいうことをしてはいけない。