反物質流

たんものしちながれ

「存在感のある黒子になりたいです」

今度の土日は「フェスティバル」、学生たちの成果発表会です。

料理の学校なのでまあそういうことをするわけです。

 

明日はプレオープンということで、すっかり飾り付けられた校内は

学生も教職員も退校し、しーんと静まり返っているにも拘らず

何とも言えない活気が立ち込めています。

 

今やすっかり裏方で、学生と接する機会もほとんど無い僕ですが

吹き抜けを囲むように張られた数々の横断幕を見上げていると

ふと昔のことが思い出されます。

 

中高一貫校での6年間、部活は時々チョロっと顔出す程度でしたが

そのかわりと云いますか、文化祭実行委員というのを割と続けて

やってまして。

 

祭りの前とか後とか、みんな帰った後、最後に閉めて出るときの

何とも言えない感覚が、どうにも好きみたいです。

 

基本的に裏方が好きなんですかね。その割には目立ちたがりで。

id:yujin_kyotoさんみたいな存在感のある黒子になりたいです」

って言われたい、みたいな。なんやそれ。

 

昨年はPTAの役員をさせてもらい、育友会室というところが実に

懐かしい生徒会室と同じ匂いで、ついつい長居してしまいました。

まわりの皆さんには鬱陶しがられてたかも知れませんね。

まあいいです。楽しかったし。

 

先輩方からは、体育は中庭の造営、家庭科は教室のカーテン縫い、

「戦時中かw」という話も聞きました。それはそれで楽しかろう

とは思いますが、創立7年目に入って初代校長と一緒に卒業、

あの学校がいちばん充実していた時期を、僕はそこで過ごした

のではないかと思います。

 

文化祭も10回を数えると型が出来上がってきて、何か新しいこと

したいね、ということで、近くの公立校と交流しようかなんて

どこから出た話かわかりませんが、そんなことを始めました。

 

何年か前に久しぶりに母校を訪ねたら「三校饅頭」ってあって、

おいそれオレが冗談で言ってたやつじゃないか、とまあ何とも

嬉しいような可笑しいようなこともありました。

 

実際のところ、自分のつくった何かが自分が去った後も残ってる

っていうのは結構うれしいもので、それは作品とかよりもむしろ

自分しか分からないような、机の裏の落書きを見つけたような

こっそり残ってるモノのほうが却って嬉しかったりしますね。

 

先日、前職場の公聴会にお邪魔したら、要旨集の様式が12年前に

僕が作ったままだったのは、ちょっとそんな感じでした。あれに

顔写真をつけるようにしたのは、5年間お世話になった学科に

僕が残した最大の功績ではないかと思います。

 

そういえばその学科も新設1年目に赴任して5年間、骨組みだけは

ある所に肉付けしていった、いちばんいい時だったのではないか

という気がします。予定表に「学科会議(P)」とあれば会議の後は

飲み会という合図、年に1度は教官全員で旅行に行く、そんな学科

ほかに知りません。

 

そんなこんなで、いつも新しいこと、楽しいことに関わってきた

そういうのもお腹いっぱいで、今度はちっとも新しくないことが

逆に新鮮ということでしょうか、最近は徹底的に保守的なこと、

すべてビチッと型通りなことに、何となく興味を持っています。

いざやろうとすると難しいんですよこれが。本当に。奥深い。

 

祭りの陽気と懐かしさで、脈絡もないことを長々と書いてしまい

 ましたが、そろそろこの辺で失礼します。