反物質流

たんものしちながれ

「卒業」

秋元康さんという人がいるのですが

僕が僕の息子の歳の頃からテレビを席捲してるので

ご存知の方も多いと思います。

 

その秋元さんの創られたもので、すごいなーと思うのが

「卒業」という言葉です。

 

それ以前から「お前もいい加減に卒業しろよ」なんて

当時流行っていた暴走族の年長者に向かって

真っ当に仕事なんかしてる先輩が言う場面はありました。

次のステージからの出迎えの言葉だったんですね。

 

でも、秋元さんの創った「卒業」はどちらかというと

「次」なんかない人に、それでも棲み馴れた組織を出て

後任に席を譲れという「リストラ」「姨捨て」なんですね。

 

今でも「ご勇退」なんて言葉もありますが、こちらには

当人の自由意志の余地がまだ求められるのに対し

「卒業」しないというのは、もはや罪であり恥である

そういう力を持った言葉なんですね。

 

割とカジュアルに使ってますが

センチメンタルな響きで悲壮な現実を包み隠した

けっこう残酷な言葉なんですね。

 

 

アナウンサー「次、頑張ってください!」

亜久里「次ないんだよ。」